市販品とオーダーメイドの違いを徹底比較!どちらが誰に向いている?
- sanyougishi
- 10 時間前
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目次
はじめに:インソール選びは「身体への投資」
市販インソールとは?特徴・メリット・デメリット
オーダーメイドインソールとは?特徴・メリット・デメリット
市販 vs オーダーメイドを徹底比較 4-1. 足のフィット感 4-2. アーチサポートの精度 4-3. 痛みやトラブルの改善効果 4-4. 姿勢・歩行・身体全体への影響 4-5. 耐久性・コストパフォーマンス 4-6. カスタマイズ性
誰に市販品が向いている?
誰にオーダーメイドが向いている?
義肢装具士が見た「本当に必要な人」の共通点
よくある誤解と正しいインソール選び
まとめ:あなたにとって最適な選択とは?
1. はじめに:インソール選びは「身体への投資」
インソールは靴の中に入れる小さなパーツですが、その役割は非常に大きく、足の痛み・膝の不調・腰痛・姿勢・歩行のクセ・スポーツパフォーマンスまで幅広く影響します。
特に近年は、健康意識の高まりにより長時間の立ち仕事・スポーツ・高齢者の転倒予防など、さまざまな目的でインソールを求める人が増えています。
しかし「市販品」と「オーダーメイド」、一体どちらが良いのか?結論から言えば、目的・足の状態・使用環境によってベストは大きく変わります。
本稿では義肢装具士としての専門的視点から、両者の違いを徹底的に比較し、あなた自身やお客様にとって最適なインソールの選び方を詳しく解説します。
2. 市販インソールとは?特徴・メリット・デメリット
市販インソール(既製品)はスポーツショップ、ドラッグストア、量販店で手軽に購入でき、価格帯は 1,000〜6,000円ほどが中心です。
市販インソールの特徴
大量生産の「平均的な足」に合わせた設計
主にクッション性・軽量性・簡易アーチサポートを目的とした構造
種類が豊富(スポーツ用・立ち仕事用・扁平足用など)
メリット
① とにかく手軽で安い
すぐに買えて、すぐに試せる。コストの低さが最大の利点です。
② 種類が多く、目的別に選びやすい
ランニング用、歩行用、立ち仕事用など、目的に合わせた製品が多い。
③ 軽量で柔らかいものが多く、履いた瞬間に快適
クッション重視のため、初めてインソールを試す人でも「気持ちいい」と感じやすい。
デメリット
① 足に完全にはフィットしない
大量生産のため「あなたの足の形」にピッタリ合うことはほぼありません。
② アーチサポートが不十分な場合が多い
柔らかく沈むだけの構造で、長時間使うと逆効果の場合も。
③ 足や身体のトラブル改善効果には限界
外反母趾・偏平足・タコ・魚の目・膝痛などの根本改善には不向きです。
④ 耐久性が低く、買い替え頻度が高い
1〜6ヶ月でヘタるものが多い。
3. オーダーメイドインソールとは?特徴・メリット・デメリット
義肢装具士やシューフィッター等の専門職が、足の計測・歩行分析・足圧データ・骨格評価をもとに作成する完全オリジナルのインソールです。
価格は 1.5万〜4万円ほどが一般的。
オーダーメイドの特徴
足の形状・左右差・荷重のクセを反映した唯一のインソール
足病変や身体トラブルに精密に対応
医療的・機能的な観点から設計される
メリット
① 足にフィットし、長時間の使用でも疲れにくい
サポート力が高く、靴の履き心地を根本から変えます。
② トラブル改善効果が高い
外反母趾、扁平足、膝痛、足底筋膜炎、腰痛などに効果的。
③ 姿勢・歩行の改善につながる
骨格配列をサポートし、身体の動きを整える。
④ 耐久性が高く、長く使える
1〜3年ほど使用可能なことが多い。
⑤ 専門家のフォローが受けられる
作成後の微調整・靴選びのアドバイスなど、継続的なサポートが可能。
デメリット
① 価格が高い
市販品に比べて初期費用は大きい。
② 完成までに時間がかかる
計測・分析・製作・調整が必要。
③ 技術者による品質差が存在する
「誰が作るか」が非常に重要。
4. 市販 vs オーダーメイドを徹底比較
4-1. 足のフィット感
市販:平均的。靴に合わせる必要あり。
オーダーメイド:個人の足に100%合わせるため、フィット感は最高。
4-2. アーチサポートの精度
市販:柔らかく沈むモデルが多く、サポート力は低い。
オーダー:アーチの角度・高さ・強度を個別に調整。
4-3. 痛みやトラブルの改善効果
市販:疲労軽減程度。症状改善は難しい。
オーダー:外反母趾、膝痛、腰痛、扁平足などに対応可能。
4-4. 姿勢・歩行への影響
市販:影響は小さく、補助的。
オーダー:骨格配列を正しいラインに導ける。
4-5. 耐久性・コスパ
市販:数ヶ月で買い替え。長期的には高くつく場合も。
オーダー:高いが長期間使えるため、結果的にコスパ良好なことも多い。
4-6. カスタマイズ性
市販:ほぼ不可。靴に合わせて切る程度。
オーダー:靴の種類、用途、症状に合わせて細かく調整可能。
5. 市販インソールが向いている人
以下に当てはまるなら市販品で十分です。
とりあえず靴の履き心地を良くしたい人
クッション性を求める人
足に大きなトラブルがない人
ランニング・ウォーキングを軽く楽しむ人
仕事用の靴に少し快適さが欲しい人
低コストで試したい人
6. オーダーメイドインソールが向いている人
以下の人はオーダーメイドが圧倒的におすすめです。
■ 足の痛みがある
・足底筋膜炎・外反母趾・扁平足(特に後天的)・開張足・タコや魚の目・足部のアライメント異常
■ 下半身の症状がある
・膝痛(変形性膝関節症を含む)・腰痛・股関節痛・反り腰・猫背
■ 長時間の立ち仕事
看護師、販売職、工場作業、飲食など。
■ スポーツでパフォーマンスを上げたい
ゴルフ、ランニング、サッカー、バスケなど。
■ 高齢者(転倒予防)
歩行の安定性が大きく向上。
■ 足の左右差が大きい人
既製品では絶対に合わせられないため。
7. 義肢装具士が見る「本当に必要な人」の共通点
私がこれまで関わってきた中で、オーダーメイドで劇的に変化した方には、以下の特徴が共通しています。
● 靴に問題がある
サイズが合っていない、幅がゆるい、踵が浮くなど。
● 足にクセがある
内反・外反・過回内・過回外など。
● 痛みが慢性化している
市販品では改善しにくい。
● 姿勢が崩れている
足だけでなく骨盤や脊柱にも影響が出ている。
こういった方は、オーダーメイドにすることで「歩き方そのものが変わる」レベルの効果が得られます。
8. よくある誤解と正しいインソール選び
❌ 誤解1:柔らかいほど足にいい
→ 実際は、柔らかいほど「沈んで支えられない」ため逆効果。
❌ 誤解2:扁平足だからアーチを高くすればいい
→ 強く持ち上げすぎると痛みや炎症を誘発する。
❌ 誤解3:どの靴にも同じインソールでOK
→ 靴の形・硬さ・仕様に合わせた最適化が必要。
❌ 誤解4:若いから必要ない
→ 部活やスポーツをしている子どもほど、早期介入が効果的。
9. まとめ:あなたにとっての最適なインソールは?
インソール選びで大切なのは、**「目的」と「足の状態」**です。
足に痛みがない → 市販品でも十分
慢性的な痛みや歩行の悩み → オーダーメイド一択
長時間の立ち仕事 → オーダーの方が負担軽減が大きい
スポーツの伸びしろを作りたい → 専門的なオーダーが最適
高齢者 → 安全面からもオーダーメイドが非常に有効
インソールは毎日あなたの体重を支え続ける大切な土台。「靴は変えられるが、足は一生変えられない」だからこそ、自分の足に合ったものを選ぶことが一番重要です。
必要な人には確実に大きな効果をもたらします。迷っている方は、まず専門家に足を見てもらうところから始めましょう。



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